アイドル好きの言い訳

いろんなアイドルの話をしてるだけです。

夢への一歩

こんにちは。2度目の緊急事態宣言が出てしまいました。まあそれ自体はもう当然というか、首都圏はいよいよヤバいので、むしろ遅いぐらいだと思ってるんですけど、なんというかあまりにもグダグダ過ぎて、頼むからもうちょっとしっかりして…という気持ちでいっぱいです。まあこの話はいいや(よくないけど)。

2021年、セブチの初仕事となった「The Late Late Show with James Corden」最高でしたね…。いや…もうすごすぎて意味がわからんのだが…。パフォーマンス出演って聞いてたので、なんとなくこの間のFNSっぽい感じを想像してたんですけど全然違った。年末の歌謡祭や授賞式みたいに何曲もやらせてもらうわけじゃないし、『HOME;RUN』はもう結構いっぱいパフォーマンスしてきてるから、どうなるのかなって思ってたら…また新しいセブチに観せられてしまった…。我慢できなくて仕事の休憩時間に観たんだけど、もう頭抱えたよ…。


Seventeen: Home;Run

舞台裏の番組スタッフからアイドル・SEVENTEENに姿を変え、圧巻のパフォーマンス。まさに『HOME;RUN』のコンセプトにピッタリの素晴らしいショーを見せてもらった気持ちです。スタッフTシャツ着て掃除してたメンバーが、きらびやなかな衣装に身を包んでアイドルとして登場、ってまさに自主制作してるセブチを現してる気がしました。細かいところの設定も演技もしっかり作り込まれていて、何度見てもいろんな発見が出来る映像になってるし、現地でパフォーマンス出来ないのは残念だけど、映像出演だからこそ出来る演出や工夫が詰め込まれてる。

f:id:nancy:20210108140615j:image

歌謡祭の時にもブログに書いたけど、セブチが当たり前のように毎回新しい要素を加えて、番組に合わせて演出だったり見せ方変えてくるのは本当にすごいし、しかも今回の映像に至ってはもはやMV作るレベルで構成もカメラワークも演出もスタイリングも凝ってて、誰が考えてるんだろう…本当にすごい。あと生歌っぽくしてある(さすがにあれだけ踊りながら歌ってるとは思えないんだけど…)のもすごく良かったな。私は生歌とか口パクとか全く気にしないオタクなのでそこは全然いいんだけど、やっぱり明らかに音源と音が違うと嬉しい。

私はこの番組、恥ずかしながら無知すぎて全然存じ上げなかったので、wikiぐらいの情報しかないんですけど、もしこれがビッヒコン出られない年末年始のスケジュールだったのなら納得だなと思ってしまった。この記事によると番組からのオファーだったみたいだし、結構前から決まってたのかも。もしかするとコロナがなければちゃんと現地に行ってゲスト出演してた可能性もあったのかな…。来週はアメリカのトーク番組にも出るみたいだし、この状況下で大変だと思うけど、世界進出はK-POPドルには避けて通れないことだろうし、Billboardは彼らの夢のひとつでもあるもんね。非力ながら応援したいです。

これ番組出演に合わせて公開されたRolling Stoneの記事なんですけど「Why K-Pop Group Seventeen Can Never Be Divided(SEVENTEENが絶対に分けられない理由)」って直訳でごめんだけど、めちゃくちゃ良いタイトルだなと思ったので貼っときますね。書いてある内容はまあCARATなら知ってる事ばかりだと思うので特に引用はしませんが、最後に「『The Late Late Late Show』を皮切りに、今年はさらに積極的に(アメリカでの)プロモーションをしていく予定です。世界中のグローバルCARATに会えるのが本当に楽しみです」って答えてるので、そういう事なのでしょう。

そして今回は、興味深かったこの記事の話をしたいなと(半分妄想なので、読まなくていいです)。韓国の芸能事務所とテレビ局の関係の変化について書かれていて、なかなか面白いかったです。年末の歌謡祭やら授賞式やらで結構モヤモヤする事があったので、なんか一個モヤが晴れた気分。ところで珍しく翻訳がスムーズでビックリした。文章がキレイだからかな。アイドルたちがSNSとかに上げる文章は口語体だしスラングっぽい表現も多いので、翻訳機くんたまに訳わからん訳し方するので…。

記事の内容をざっくり説明すると、年末年始にビッヒとSMが独自のステージ映像を音楽番組に劣らないクオリティで配信・制作したことで、これまでは絶対的に「甲」だったテレビ局の立場が揺るぎ始めた、音楽番組の価値や役割が改めて問われる時代に突入する…みたいな感じ。まるっと読んでもらったほうがわかりやすいですが、興味深かったところを少し引用します。

数%台しか視聴率が取れない音楽番組を、放送局が維持することができたのは、他ならぬYouTubeのおかげだ。 もともと「チッケム」とは、ファンが特定のアイドルをクローズアップして直接撮影した映像を意味していたが、現在この文化を最もよく活用しているのは放送局だ。 舞台技術や映像編集力など、数十年間蓄積されたノウハウを活かし、より身近で鮮明な映像を観覧したいと願うファンらのニーズを満たした。そこには海外ファンらまで殺到し、放送局の大きな収入源となった。

まず前提としてなんですけど、個人的には音楽番組っていろんな経歴・人気のアイドルが一堂に会するプラットフォーム的な役割が一番大きいと思うんですよ。だって山程ある韓国の事務所のアイドルのパフォーマンスが1つの番組、1つのチャンネルで全部観れるんだもの。わざわざいろんな事務所のチャンネルとかSNSを全部フォローして更新のたびにチェックするのってかなり手間だし、特にいろんなグループを(無銭で)観たいっていう層にはめちゃくちゃ効率良いはずなんですね。

実際ここまでK-POP人気が広まったのは音楽番組の影響が大きいでしょうし、海外がメインターゲットになりつつあるK-POPと、ほぼ全世界で同時に観られるYouTubeの相性なんて良いに決まってる。海外勢は雑食が多いという話を聞いたことがありますが、音楽番組ってそういう雑食向けのニーズに最も応えられる存在だと思うから、事務所がいくら高品質のコンテンツを制作する技術力を持つようになっても、それがイコール音楽番組が不要になるっていう極端な話ではないと思います。ただアイドル側が「音楽番組にこだわる理由がなくなった」っていうのは、きっと大きい変化なんだろうな。

これまで事務所はプロモーションのためにやむを得ず高コストを投資し、アイドルを音楽番組に出演させざるを得なかった。だが問題は、放送局が映像に登場するアーティストらに対し、何ら権利を与えないことだ。放送局は密着カメラの所有権を主張し、事務所のSNSにはこの映像を掲示できないようにした。

例えばセブチやTXTが日本の音楽番組に出演したパフォーマンス映像を公式チャンネルにアップ出来るのは、撮影・制作を事務所サイドがやってるから成立してるって事なんでしょうが、おそらく最初からそういう契約を交わしてるから出来るわけですよね。テレビ局が撮影したものの権利をテレビ局が持つのは、ある程度は仕方ない事かな…とは思いますが、事務所が所属タレントの出演した映像の権利を持てないっていうのはやっぱりおかしいし、日本ではちょっと考えられないパワーバランスだなと思います。

今年7月、韓国音楽コンテンツ協会・韓国マネジメント連合・韓国芸能制作者協会は、音楽放送映像を任意に編集・再販売して利益を得ることは不公正だとして、公正取引委員会に標準契約書を提出するよう求めた。放送局で撮影した映像物の使用範囲を規定しようということだが、YouTubeなど放送以外の目的で使用する場合は、事務所と協議しなければならないという主張だ。

これは当然の主張だと思うけど、実際やるとなったらおそらく個カムはもう番組のチャンネルに上がることはなくなるでしょうね。もしくは数日後に事務所やアーティストのチャンネルと同時に公開されるか。でも独占出来ないとなると番組側も手間と労力をかけてわざわざ密着カメラを撮る必要性は薄れていくだろうし(正直アレ撮るのかなり大変だと思う)、結果的に個カム文化自体が消えていくかもしれないって事かのかな…。残念だけど。

事務所はさまざまな技術的協業を通じて、音楽番組並のコンテンツ生産能力を備えるようになった。実際に1日に無料で全世界に公開された「SMTOWN LIVE CULTURE HUMANITY」は186カ国で約3583万ストリーミングを記録したが、音楽番組以上の舞台を実現したと評価されている。

また2020年の最後の日に開かれた「MBC歌謡大祭典」は音楽番組の危機を端的に表わしている。この日、JTBCはBTSを含むBig hitレーベル合同コンサート「2021 NEW YEAR'S EVE LIVE」を放送したが、これは異例の出来事だ。音楽番組出演が認知度を高める最善の方法ではなく、歌手の舞台を放送できる主体は事務所になり得るという事を意味する。

まあ問題は「SMTOWN LIVE」や「NEW YEAR'S EVE LIVE」レベルの配信を事務所主体で毎週のようにできるか、だと思うので、さすがにまだ評価を下すのには早すぎるし、あとさっきも書いた通り一つの事務所のアーティストだけではおそらくファンの求める音楽番組は成立しないと思うけどね。ただテレビ放送に頼らず、YouTubeやV LIVE、Weverseのような配信媒体をプラットフォームに事務所主体で音楽番組のようなものを展開することが可能だ、という証明にはなったんだろうな。

MBCの音楽番組からBTSが姿を消したのはかなり前のことだ。 数年前、年末の授賞式のスケジュール調整でMBCとBig hitの仲が悪くなったとされていたが、その後、Big hitレーベルに合流したヨジャチング、SEVENTEEN、NU'ESTなどもMBCの音楽番組に出演しなくなった。またYGの歌手はKBS、SMの歌手はMネットに出演しなかったこともあった。それまで音楽番組出演の有無や順位が成功の絶対的な指標と思われていたが、今は事務所も放送局の不当さに声を上げ、独自のコンテンツで突破口を探しているわけだ。

音楽番組の役割や価値については、私も前にちょっと疑問を呈した事があるんですが(この時は音楽番組自体というより、音楽番組の1位にどんな価値があるの?という話でしたが)、私の認識もそれほど少数派ではないのかな…と思いました。とは言えあくまでこれは大手事務所の話であって、テレビ局に対抗するには三大事務所みたいに人気アイドルをたくさん抱えるか、もしくはBTSのようなモンスター級のアイドルがいないと駄目なんじゃないかなとは思いますが。ところであまりテレビ局との揉め事を聞かないJYPはどうなんでしょうかね…?(日本での餅ゴリさん見てる限りかなり上手くやってそうではあるが)

日本はどちらかというと、テレビ局よりは大手事務所のほうに権限があるイメージですよね。NHKの紅白ですらジャニ枠とかエイベ枠とか言われるぐらいだし、あと共演NGみたいなものも、事務所に選択権があるから発生するわけですよね。出演者ありきで企画や番組が作られるのもそれはそれで別の問題はあるなと思うんだけど、タレントの価値を守れるのは事務所だけなんだから、その権限をテレビ局側に与えてしまうのは違うと思うんですよ。ジャニの徹底した肖像権保護はタレントを守るという意味では圧倒的に正しいので。

ただこの記事では音楽番組と事務所の関係性についてしか書かれていないけど、アーティストだけじゃなく俳優やタレントさんを抱えている事務所が、テレビ局とガッツリ揉めるのはやっぱりリスクがデカいだろうな…と思うんですよ。音楽番組に出れなくてもいいけど、バラエティとかドラマに出られなくなるのは痛いって事務所はあるだろうし。例えばビッヒが喧嘩してるMBCは音楽番組には出ないけどラジオとかバラエティには出てるみたいなので、やりすぎるとお互い得しないって事は多分分かってるんだろうなと思う。

結局、ビジネスをする上で関係性ってのは切っても切れないものなので、それを全部なかった事にはできないと思うんですよ。みんな「忖度」とか毛嫌いするけど、忖度って過去の経験や実績と紐付いてる部分がたくさんあって、単に事務所のパワーってだけじゃなく、タレントの好感度が高いとか真面目に仕事をするとか、以前出演してもらった恩返しとか、PDが子供の頃ファンだったからとか、そういうので回ってくる仕事って普通にあって、それも言っちゃえば全部「忖度」だと思うけど、それが悪い事だとは思わないんですよ。人間関係で仕事をしすぎるのは良くないけど、そういう関係性を築けるのも才能だと思うし。

以前、ビッヒは今のうちにやれるだけこの事をやってしまいたいんだろうなっていう妄想を書いた事がありますが、この記事を読んでるとやっぱり当たらずとも遠からずな気がしちゃいますね。ビッヒが局側に強気に出られるのもBTSがいるからって部分は大きいだろうし、BTSの持ってる“パワー”で突破できるものは全部突破したいんだろうなって思う。まあビッヒコンに関してはやっぱりちょっとまだ早すぎたんじゃない?って思うけど、こういう事も出来るぞっていうアピールにはなってるんだろうな。まあこれは対テレビ局ってだけの話じゃないんですけど。

きっとK-POPは文化として過渡期を迎えていて、大きくなったが故の綻びというか、色んな事が時代にそぐわなくなってきてるんでしょうね。音楽番組がタレントの映像の所有権を持ってるのもそうだし、マスターという名のもとにタレントの肖像権を侵害する行為もそう。もちろんどちらとも、K-POPがここまで大きくなった事の大きな要因だと思うので、それを否定するつもりはないです。ただ何事も限度ってものがあるし、その根底にアイドルの扱いの悪さというか、人権のなさがある気がして、難しい問題だなあと思います。本当は事務所が守ってくれるのが一番なんだけどね。

まあ音楽番組の件とマスターの話を一緒にするのはどうかと思いますが(私は正直「闇写だよね…?」って思いが拭えないんだけど)、SNSが発達して公式や公式に近い媒体(主にマスコミ)から十分に高画質の画像や映像が供給されるようになってるし、今後は肖像権やパブリシティに対する考え方も厳しい方向に変わっていくのかもしれないな。その流れの中で失うものも出てくるのでしょう。なんか久しぶりに面倒くさい話を長々としてしまった。オタクがこんな分析まがいのことしても何の意味もないんですけどね…笑。おしまい。