アイドル好きの言い訳

いろんなアイドルの話をしてるだけです。

“ボーイズグループ”のお話。

JO1が表紙の日経エンタのボーイズグループ特集がなかなか面白く、興味深く読みました。ざっくり言うと「次世代のボーイズグループが盛り上がってるぞ」というような内容なんですが、J-POP(ジャニーズ、LDH、EBiDAN)、二次元(2.5次元)、K-POPという各ジャンルにおけるここ数年の動きと、次世代として活躍が期待されてるグループをピックアップして紹介してるような感じの特集です。

日経エンタテインメント! 2020年 4 月号【表紙: JO1】
 

日経エンタの出来事や流行の総括みたいな特集は簡潔で分かりやすくて、あんまり詳しくないジャンルについて概要だけでも知りたいなって時にちょうどいいと思うんですけど(その代わり広く浅くなので当たり障りのないことしか書いてないけど)、この特集読んで確かにジャニ界隈だけで考えても、キンプリデビュー以降新規のジャニヲタ増えてるなと思う事が多々あったし、それってジャニだけじゃなくてボーイズグループ全体に起きてる事なのかもしれないと。ここ数年ジャニで手一杯だったのであんまりボーイズグループみたいな大きな括りで男子アイドルを考える事はなかったんですが、私自身、最近ジャニ以外のグループを観る機会も増えてきたので、思った事などを書いてみようかなと思います。

まず“ボーイズグループ”ってなんぞやという話があると思うんですよ。もともとボーイズグループっていうと欧米の10代〜20代前半の男子数人のバンドじゃないダンスorボーカルグループを指してたイメージがあるんですが(One Directionとか)、いつの間にか若い男子のみで構成された、歌うか踊るか歌って踊るかのグループ全般を指す言葉になってて。私は「私が好きになったらそれはもはやアイドルである」ぐらいの図々しさで生きているので、男子アイドルをボーイズグループって呼ぶのがあんまり好きじゃなくて、結局男子アイドルと何が違うのかわかんないし、要するにアイドルって名乗るの恥ずかしいって事?っていう気持ちになるし(いちいち過剰反応な気もするが)、同じ需要で成り立っているものは実質同じ存在だろと思うし。でもエンタメが多様化していく中で、男子アイドルを“ボーイズグループ”というもっと大きな括りで捉える事によって一般化したというか、オタクだけのものじゃない雰囲気を作れたのも、近年の盛り上がりの理由なのかもしれないなと思いました。

私がジャニにきて思った事の1つに、男子アイドルは女子アイドルと比べると安定してるな…というのがあります。女子アイドルは個々の賞味期限が短いから新陳代謝も早いし波もあって、「アイドル戦国時代」とか言われた元気な時期もあったけど、もう当時全盛期だったメンバーはほぼアイドルを辞めてしまっているし、当時あったグループもだいぶなくなってしまったし。ハロプロの卒業脱退もトレンドで知る回数が増えたし、48Gは相変わらず桁違いのCD売上を維持しててそれはそれですごいんだけど、もう今の選抜メンバー知ってる一般人ほぼいないし。勢いがあると言えるのは坂道ぐらいかと思うけど、そこですら乃木坂からはまいやんが抜け、欅からはてちがいなくなってしまう。Perfumeとかももクロみたいに続いているグループももちろんあるけれど、残念ながら女子アイドルはメンチェを繰り返して延命するスタイルをどうしても変えられないんだな、というのをつくづく感じてます。私はそれが一概に悪い事とも思ってないけれど、でも良くも悪くもそうやって維持していくのが、女子アイドル界の限界なのかもしれないなと。

男子アイドルはメンチェで延命を図る必要が今の所ないので、解散や活動休止みたいな大きな動きはあるにせよ、スパンの長い活動ができる事が安定感に繋がってるなと思う。オタクも安心して推せるから長く応援し続ける事が出来るし。それにジャニーズがずっと頂点にいることで業界がある種の統率を取れていて(忖度や圧力といった眉唾事情も含め)、よっぽど事務所に体力がないとグループを作っても長続きしないか細々やるしかないという現実がそれを支えてきたんだろうなと。そんな中でも、「俺たちアイドルじゃないんで」みたいな顔しながらアイドル業界にどかどか入ってきたのがLDHであり、流行を取り入れつつジャニやLDHとは棲み分けしながら勢力を伸ばしてきたのがスタダ勢であり、さらにそれまで完全に二次元の中で完結していた二次元ジャンルが、声優や2.5次元舞台といった中の人需要の伸びによりアイドル業界に参入してきたと。で、そこにK-POPも加わるとなるとホント、すごい一大勢力ですね。

ジャニだけで考えても久しぶりにキンプリがデビューしたと思ったらすぐにスノストが続き、それぞれ数字でしっかり結果を残し、タッキーによる怒涛のJr.推しでデビュー組から続々とオタクが降りてきてJr.担や掛け持ちを増加してる。嵐の活動休止や歴の長かったメンバーの退所といったネガティブな要素もあったけど、上手く新陳代謝を図ったというか、現場レベルではいい感じで世代交代できてるのかなと。LDHも本業のアーティスト活動では今ランペがかなりオタクを増やしてるなという印象で、もうアリーナでは完全に落選祭りなので、いつドームに切り替わるか…って段階にきてるし。それと平行して俳優の売り出しが好調だし(こっちはむしろジャニが遅れを取ってるなと思う)、ハイローみたいなメディアミックスコンテンツを当てたのも大きい。ジャニはどうしても他事務所のライバルを排除しがちなので、ちゃんと他事務所と連携して作品を作っていけるのは強いなと思います。俳優仕事との両立という意味では、ジャニとの共演もOKな(しかも番手を譲れる余裕もある)スタダも上手だと思うし、何にせよ大所帯を維持できる事務所の力は大きいよね。

そして新勢力の筆頭とも言えるJO1が結果を出しました。初動30万超えは素直に凄いと思う。彼らがどんな方向性でやっていくのかとか、武器や強みについてはまだ未知数なところもありますが、少なくともオタクについては日本の男子アイドル好きとK-POP好きのいいとこ取りにひとまず成功したと言えるのではなかろうか(じゃなきゃ今の時代こんなにCDは売れない)。どの界隈から来てるのかよく分からないけど、YouTubeとかSNSのコメントなんかを見てると「日本のアイドルのイメージを変えて欲しい」みたいな、え、なぜそんなナチュラルに他下げをする…?みたいな発言も多いので、日本のアイドル見下してるような層に興味持たれてるの?と思ったけど、ジャニヲタも結構いるみたいで。この間DDの肩身の狭さについて書いたけど、いやみんな普通にDDじゃねぇかと思いましたよ、私は。まあ少子化が進む一方の日本でこんなにいろんなジャンルのボーイズグループが出てきてそれぞれ人気を集めて活気があるって、どう考えてもオタクが掛け持ちしてくれなきゃ成立しないんでしょうけど。

私に日プを布教してきた友人は「新しいもの好きのドルヲタDD層とK-POPに興味はあったけど言葉の壁とかでハマり切れなかった層が食いついたのでは」と言ってて、なるほどなと思いました。私は言語の違いについてはあんま気にならないと言うかそれでブレーキ踏む程ではないなと思うんだけど(もちろん分かればもっと楽しいと思うけど)、その友人は言語の違いを結構高いハードルだと捉えているみたいだったので、確かにそういう人にとってはJO1はドンピシャだったのかなと。それも現代のアイドルっぽいというか、一方的な供給だけじゃなく、SNSだったり接触イベだったりで双方向のコミュニケーションが求められる時代だからなのかもしれない。いずれにせよガチでK-POP好きな人はK-POPでいいはずだから、ある種の隙間産業というか潜在的な需要にマッチしたんだろうな。

でも何と言っても日プのパワーは大きいですよね。公開オーディションとかドキュメンタリー的な要素ももちろんだけど、「ちょっと前まで田舎の中学生だった子が偉い人に見出されてカリスマアイドルに!」みたいなシンデレラストーリーって日本人の大好物じゃないですか。これオタクだけじゃなくて、マスコミとかプロデューサーとか制作陣も含めてそうだからね。だからこそオーディション受かった新人にいきなりセンターやらせる、みたいな乱暴な事があちこちで起きるわけで(それは厳しい言い方をすればド素人でも練習すればすぐ追いつける程度のレベルだという事でもある)、ジャニの選抜デビューの誰おま枠とかもそうだけど、多分ダイヤの原石を見つけ出す快感みたいなのってあるんだろうな…。あと今更ながらTWICEとかPENTAGONとかもサバイバル番組で出来たグループって知って結構ビックリして、そうやって注目度を上げないと、デビューでスタートダッシュを切れないって事なのかな…どこも大変だなと思いました。

ただキンプリやスノストとかにも言える事だけど、大事なのはスタートの勢いをどこまで維持&拡大できるかで。いくらアイドルを好きな層やその予備軍が多いとはいえ、最終的にはパイの奪い合いに勝てるかどうかにかかってくるんじゃないかなと思うんですよ。ブームになる背景には基本的に若年層の支持が不可欠だと思うんだけど、その流行を支える若い子ほど熱しやすく冷めやすいので、新しいグループにすぐに気持ちが移ってしまうから、スノストのデビューで大騒ぎしてた子達が今JO1のデビューに大騒ぎしているのでは…とちょっと思ってます。まあデビュー前後とブレイク前夜ってのは、アイドルを応援している時期の中でトップレベルで楽しいのは間違いないから、そういう一番美味しい時だけ味わいたいみたいな層(無自覚な人も含め)がいるのも仕方ないんだけどね。まあ気持ちはわかる。

パイの奪い合いという意味では、K-POPのほうが熾烈というかシビアそうだなと思いました。K-POPについてはまだまだ知らない事ばかりなのであんまり適当な事は書きたくないんですけど、ちょっと興味が湧いてTXTと同世代のボーイズグループを調べてみたら、去年だけでも何十組も新人グループがデビューしてるって知ってビックリしたし、しかも生き残っていけるグループはその中の一部だという話も耳にして現実は厳しいな…と。日本デビューができるグループはまだマシな方なんでしょうが、そう考えるとデビューすればある程度の活動は保証されてるジャニってやっぱり凄いし、海外進出とかしなくてもまだ十分な市場がある日本のアイドル業界も凄いと思う。日経エンタにも「フィジカルのセールスやライブ動員が期待できる日本は大きなマーケットである」って書いてあって、さすがは国民総オタク国家。

あと面白いなと思ったのが、ジャニから流れてきたオタクがJO1の事を「嵐っぽい」って言う現象。ちょっと前に知り合いのとも話してたんですけど、ハイ美やなにわのオタクもそれ言う人多いし、デビューのタイミングで降りてきたタイプのキンプリ・スノストあたりの新規もよく言うんですよ、「嵐っぽい」って。私は嵐を通ってきてないのでわからないんだけど、圧倒的な母数を誇る嵐担が、降り先のグループに対して「◯◯の頃の嵐っぽい」「◯◯は嵐の誰っぽい」って言ってんの興味深くて。似てるか似てないかなんて主観でしかないし、先入観と贔屓目が入り混じった願望なんだろうなとは思うんですよ、嵐ぐらいの人気グループになってほしいみたいな。でもそこに嵐の万能性というか、どんなグループにも当てはまる何かがあるグループなんだなと思うし、そうやって自信を持って「嵐みたい」って言えるのは、きっと多くの日本人にとって理想のアイドル像が嵐なんだろうな、と思いました。

でもこうやって新しいグループだったり新勢力だったりがどんどん出てくるのを見てると、ワクワクするのと同時になんか諸行無常というか盛者必衰というか(この言葉以外では表現できない感情だなと思う)そういうのを感じます。アイドルを応援してて一番しんどいのは永遠なんてものはないっていう現実を突きつけられる瞬間だと思うんですが、それをもう十分すぎるほど知ってしまっているのに、よくドルヲタ続けてられるよなと自分でも思います。あんまりポジティブな性格でもないので「うちの推しだけは大丈夫!」とか全然思えないし。でも同じようなグループが量産されているように見えても、やっぱり新しい発見ってものがあって。突然ジャニにハマった時もそうだし、最近TXTにハマったのもそうだけど、このいつ何が起きるかわからなさも、オタクの醍醐味のなのかもなと思いました。

では最後に近況でも。引き続きTXT漬けの日々なんですが、コロナで現場が中止・延期続きでどんよりする中、この間ライブが生配信されまして。もーめっちゃくちゃ楽しかった!ビジュもパフォも完璧、素晴らしい、最高、好き…って駄目だな、TXTの話しようとしても語彙力死んでて話にならないな。何を見ても「最高」っていう感情しか湧いてこない…(頭抱え)。私DDとか言いつつ、同時進行でいくつものグループを追いかけるのはあんまり得意じゃないというか、そんなに器用に切り替えはできなくて、一通り自分が納得するまでは1つのグループに集中したいタイプなんですよね。ジャニにハマったときもしばらくはJUMPを摂取する事に熱中してたし、ある程度満たされた頃にNEWSを聴き始めて、それが落ち着いたらJr.にハマって…みたいな感じで。今もどこかのグループがアルバムを出したらしばらくはそれだけを聴いていたいと思うし。実はTXTに本格的にハマり出した時期ちょうどセクゾのアルバムが出て最初はツアーもあるしと思って聴いてたんだけど(とても名盤)、TXTで頭がいっぱいの状態でセクゾ聴いてるとセクゾのアルバムがTXTのアルバムかのような謎の錯覚を起こしてしまい、こりゃいかんと慌てて聴くの止めました(メンバー構成とかちょっと似てるんだよな…)。

TXTを追ってく流れでBTSやセブチの動画なんかも観る機会が増えていて(その2組が圧倒的に関連動画に出てくるのじゃよ…)、何となく気になると観ちゃうんですが、率直な感想としては日本で人気あるのがすごくよくわかりました。わりと身の回りでも好きって言ってる人が多い2組ですが、パフォーマンスとか楽曲が良いのももちろんというかそれは大前提なんだろうけど、みんなキャラが立ってて個性豊かで魅力的で、やっぱりそういう事なんだよなと。これは私の浅いK-POPのイメージですけど、もっと所謂アーティスト寄りの活動をする人たちだと思ってたので、思いの外バラエティとかもガンガンやってるしそういうサービス精神も旺盛で、日本のアイドルと一緒なんだなって納得したし、うまく言えないけど、私が好きになって大丈夫な人達だとホッとしたというか安心したというか。やっぱり新しいジャンルに足を踏み入れるのは発見が多くて面白いですね。すごい長文になってしまったな…なんかもっと文字大きくしたり画像入れて読みやすくしたりしたいんだけどセンス皆無。おしまい。