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アイドル好きのメモ帳

ハロプロ、48Gを経てジャニ沼に落ちた人の自己満ブログです。

「何者」を観てきた話。

「何者」観てきました。良かったよ。私は好き。原作未読。

“就活”をテーマに人間関係だったり、現代の若者特有の文化や、悩み苦しみを描いた作品。色んな意味でいかにもな話なんだけど、でも若い子のヒリヒリした感情がリアルで、近い所から描いてるのが分かる。人間のネガティヴなところ、劣等感や嫉妬みたいな感情をカッコつけずに素直に描いている所が良かった。ちょっとネタバレな感想になると思うのでご注意を…。

主人公の拓人は熱中していた演劇サークルを辞めてから、就活に専念するもなかなか内定が出ずに焦る日々。演劇では一緒に作品を作ってきたギンジに先を行かれ、恋愛では同居人のバンドマン・光太郎に瑞月を取られ、就活も先が見えないまま、なかなか上手くいかない。目に付くのは現実を直視できない就活仲間たちの哀れな姿で、それは勿論自分自身の姿でもあり、なかなか受け入れられずにいる。仲間たちとは無理矢理に精神的距離を置いて、同類ではないと思い込み、自分が大した人間じゃない事には薄々気付いていても、自分より低い人間はいっぱいいるし、それと比べれば自分はちゃんと生きてきたし、って思いと、自分は本当はもっと出来る人間のはず、って思いとが入り乱れて、なかなか気持ちの整理出来ず素直に頑張れない。その鬱屈した感情を吐き出せるのは、偽名でやっているSNSのみ。でもそれすらも本音じゃなくてポーズで、承認欲求のはけ口でしかない。まさにザ今時の若者って感じの拓人が、受け入れ難い現実や自分自身とどうやって向き合うのか。でも本当の意味での向き合いは、10年後20年後にやっと少し見えてくるかもしれない位のもので、この時期の問題はそんな本質的な事よりも、今この瞬間の苦しみや、ごく表面的な悩み自体だったりするんだろうな。

どっかのレビューで“就活ホラー”って書かれてたけど、多分就活は問題の本質ではなくて、だって数枚の書類と数分間の面接で、この先何十年かの人生を決められるなんて、どう考えても馬鹿げた話で、その会社の面接官や採用担当者はどんだけ偉いんだよ、って感じなわけで。就活に限らず、生きていると誰かと比較される場面は何度もあって、そこでは必ず選ばれる人間と選ばれない人間が出てくる。しかも選ばれた事自体が正しいとも限らなくて、選ばれた代わりに何かを失ったりもする。生きてると、それが一度っきりじゃなくて何回も何回も繰り返しやってくる。作中で内定が取れた光太郎や瑞月だって、この先の何かが保証されたわけでも何でもない。乗り越えた先にも、また壁があるだけだから。

まだまだ先が長いよ、とかそんな事を思いながら観てた。もうその時期を通過した立場だから、言える事なのかもしれないし、私は超弩級就職氷河期世代だったけど、就活せずに呑気なバイト暮らしをしてたので、就活自体の辛さとか大変さは体験して来なかったから、分からない苦しみなのかなとも思う。その後、今の仕事に就くまでにかなり紆余曲折しているので、まあ大変っちゃ大変だったから、たまにちゃんと就活をしてたら…と思う事もある。私自身は高校受験も大学受験も安全な学校しか選ばなかったようなお堅い人間なので、もし普通に就活してたら、多分どこか無難な会社に入っていただろうし、でも今の仕事とはかけ離れた仕事をしていただろうなと思うので、まあこっちで良かったんだと思う事にしてる。そんな事を思い出してながら帰りました。

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